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大阪教育大学准教授 小﨑先生に聞く 「アルバムと子育て」の研究

大阪教育大学准教授 小﨑先生 「アルバムと子育て」の研究

「アルバムをつくると、子育てに良い影響がある」。なんとなくそんな気がする…という方は多いかもしれませんが、実際に関連性がありそうだということが、最近の研究でわかってきました。
この研究を進めているのは、大阪教育大学准教授の小崎先生。兵庫県西宮市初の男性保育士を経験し、多数の育児書を執筆されたその知見と、前例のない調査から次第に見えてきた研究内容についてうかがいました。デジタルではなく写真をプリントし、アルバムにまとめることの本当の大切さとは?

手軽に撮影できるようになり、写真への思い入れはかえって希薄に。

―今回の研究をはじめられたきっかけは何ですか?

とあるインタビューで「子育てと写真の関係」についてコメントしていたのですが、それを見たアルバムメーカーのナカバヤシさんからご連絡をいただいたのがきっかけです。「アルバムが子育てにどのような影響を与えるのか研究してほしい」とのお話でした。意外なことに同様のテーマの研究はほとんど前例がなく、個人的にも「どうなるだろう」と関心を持ったので研究をはじめることにしました。

―調査のなかでどういったことがわかってきましたか?

プレ調査として行った、K府の育児講演会参加者に対するアンケートでは、「写真を撮るツールはスマホ」「撮影データは現像しない」という人が非常に多いことがわかりました。見ようと思えばデータで見られるし、データが多すぎてなかなか現像できない。じゃあ写真プリントはいらないのかというと、決してそうではない。デジタルデータよりもプリントの方が、「印象」「思い出」「手渡し」という点で優位という結果が出ている。スマホという新しいツールの急激な普及に、使う側がまだ対応できていないのかもしれないと感じました。昔は写真を撮る機会そのものが少なく、誕生や入学式、七五三といった「ハレの日の記録」という意味合いが強かったといえますが、現在はあまりにも手軽に撮影できるため、一つひとつの写真への思い入れも薄れてきているのではないでしょうか。

アルバムにまとめることで、思い出が断片的から重層的になっていく。

―子育てとの関連性についてはいかがですか?

本調査では、H県の保育園とO府の幼稚園の保護者700名を対象にアンケートを実施しました。こちらはまだデータをまとめているところですが、「アルバムをつくる・写真を現像する」ことによる「子育てへの興味・関心の向上」について有意性・関連性が認められています。撮影・現像する時点で子育てに対してポジティブといえますが、アルバムにまとめることで何度も振り返りやすくなり、そのポジティブさが定着するのではないでしょうか。「写真データがある」という状態でも安心感はあるかもしれませんが、実際にはなかなか見返さないんです。

―やはり「振り返ることが重要」ということでしょうか?

特に幼少期は、「今が一番かわいい」と感じるものだと思います。たとえるなら、歯が2本生えた様子もかわいいけれど、4本になるとそれもかわいい。8本になるとそれもまたかわいい。歯が増えていくごとに以前のかわいらしさの記憶が薄れてしまう。忙しい子育てのなかではすぐに忘れてしまうんです。そこでアルバムに写真をまとめて軌跡を振り返ることで、思い出がより重層的な豊かさを持って定着していくように思います。数が多すぎる写真データでは、俯瞰で見ることができません。かけがえのない一瞬を切り取った写真、それをまとめるアルバムだからできることなんです。

―今後はどのように研究を進められていく予定ですか?

その他、「育てられた側」である大学生を対象に、自尊感情や自己肯定感とアルバムをつくってもらった経験との関連性を調査しています。こちらもまだ途中ですが、アルバムをつくってもらってきた学生ほど、今の自分に対して良いイメージがあるように感じています。今後は、これらの調査データを解析して学会・論文の発表を行う予定です。この研究によって、写真を撮る・アルバムをつくる意義をさらに明らかにしていき、子育てがもっとすてきなものになってくれたらと願います。

写真やアルバムを通じたコミュニケーションで、学びや気付きの機会を。

―幼少期の子育てに効果的な写真の使い方はありますか?

0歳時は、ただただ写真を撮りまくりましょう。1歳になると自分を認識できはじめるので、写真を見せて「これがあなただよ」と見せてあげるといいと思います。自己認識が進む2歳の頃には、写真を撮ってあげたりアルバムを見せてあげることは子供たちにとって「面白い」と感じられるようになっています。3歳で自己認知がしっかりできてくるので、そこからは意識的に写真を撮って見せてあげるといいですね。そうした経験が多いほど、子供は「自分がどう見られているか」を学び、アピールしたりといったことができるようになります。4~5歳になると、写真を撮られ慣れている子はすぐわかりますよ。保育所で働いていた頃も、カメラを向けると前に出てくる子もいれば、恥ずかしがる子もいました。もちろん、どちらもその子の個性。カメラを通したコミュニケーションによって、普段とはまた違う子供の姿が見えるのも、写真のいいところだと思います。

―写真やアルバムを通して、いろんなコミュニケーションができそうですね。

でもポーズを要求したりするのはほどほどに。子供たちのリアルな姿を見てあげてほしいです。私は息子の後ろ姿を撮るのが好きなんですけど、見返すととても面白いですよ。息子には「なんやねん、これ」と言われますけどね(笑)。誰かが決めたルールを守ったり、上手にやる必要はありません。寝顔や入浴中、運動中など、親自身の「こだわり」や「面白い」と思う瞬間を切り取った写真でアルバムをつくってあげてください。そうした親の視点や価値観を伝えてあげることも、子育てにとって大切なことだと思いますから。

―小﨑先生にとってのアルバムを、ひとことで言うと?

夫婦・子育て・家族の「思い出の道しるべ」です。後ろだけでなく、きっと前にも道は続いている。自分の思い出を振り返ることは、これからを考えることにもつなげられると思います。そういう意味では、撮る専門になりがちなお父さん自身も、ときどきは一緒に写真に写って家族の軌跡をつくっていってほしいですね。

大阪教育大学准教授 小﨑 恭弘

大阪教育大学教育学部教員 養成課程家政教育講座(保育学)准教授。男子3兄弟の父。1968年、兵庫県生まれ。1991年より兵庫県西宮市初の男性保育士として、施設・保育所に12年勤務。育児休暇取得などの経験をもとに、「父親の育児支援」研究をはじめ、テレビ・新聞・雑誌等で積極的に発信している。
NPOファザーリング・ジャパン顧問、兵庫県子ども子育て会議委員、兵庫県男女共同参画委員、東京大学附属発達保育実践政策学センター協力研究者等の肩書を持つ。

著書

『男の子の本当に響く叱り方
・ほめ方』(すばる舎)

著書

『きょうだいの育て方』
(洋泉社)

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