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思い出に順番は関係ないんです 写真整理研究家 藤井千代江さんに聞く 写真整理楽

写真整理研究家 藤井千代江さん 写真整理楽

たまってしまった写真プリントをアルバムにまとめるとき、ほとんどの人がまず「時系列に並べる」ところからスタートするのではないでしょうか。順番に並べて、家族一人ひとりのアルバムにまとめ直していく…という単純ながら面倒な作業に手が止まってしまう方も多いのでは?
自身で考案されたアルバムの作り方「写真整理楽」を広めている藤井千代江さんは、「思い出に順番は関係ないと気づいた」と言います。普通とはちょっと違うそのまとめ方、そして若い世代に伝えたいアルバムの魅力についておうかがいしました。

「同じ着物の写真は近くに貼ろう」なんてしてるうちに気がついた。

―ご主人は写真家だそうですが、写真やアルバムはご結婚される前からお好きでしたか?

特別好きじゃなかった…というか、当時カメラは若い女の子に手が届くような値段じゃなかったんです。会社の上司が分割払いでようやく買ったぐらいだったので、私の若い頃の写真は、数えるほどしかないんですよ。小中学校での集合写真、それから年の離れた姉の夫が撮ってくれた写真、社員旅行などで男性社員が撮ってくれた写真がちらほらある程度で。だから昔は写真を大事に大事にしていたんです。今はもう、写しすぎ(笑)!

―ご結婚されてからは、どんな風にアルバムをまとめられていましたか?

主人と結婚した1964年頃には、カメラもだんだん買いやすい値段になってきて、私も手にすることができました。子供たちを撮影するんですけど、お父さんが文句を言うんですよ。フィルムを渡すと暗室で現像してくれるんですけど、「なんでもうちょっとこう撮らんかったんや」と、自分がカメラマンなものだからうるさいんです(笑)。当時のカメラは撮ってすぐ確認できなかったし、子供はじっとしてないし、仕方ないじゃないですか。それでもう家族の写真はお父さんに任せることにしました。アルバムにまとめるのは私の仕事…と思ってたんですけど、それもうまくできてなかった。うふふ(笑)。

―お子さんのアルバムをまとめるのは、やっぱり大変でしたか?

子供が3人いるんですけど、主人の写真スタジオも手伝わないといけなかったのもあって、撮りためた写真がケースにいっぱいになってしまっていたんです。順番にしようと思っても、どっちが古いのかわからなくなって、もうイヤになって。自分のアルバムは、幼稚園から小学校・中学校、社会人と順番に並べていっていたんですけど、それは写真の数が少なかったからできていたんだと気づきました。途方に暮れて、とりあえず着物を着ている自分の写真を集めて適当に貼ってみたんです。撮影した年代もバラバラ。「同じ着物の写真は近くに貼ろ~」なんてね。そうしているうちに「そうや、思い出には順番がないんや!」って気がついたんですよ。それぞれの写真を見れば、「そうそう、この人の家に行ったときのや」「旅行したときの写真や」って全部思い出せるんですよ。それが35歳の写真でも50歳の写真でも関係ない。そう気がついて、開放された気分になったんです。

『いろは式』と『家系の写真集』、2つのアルバムづくり。

―写真整理楽は、どうやって生まれたんでしょうか?

着物の写真と同じように、子供たちの写真も時系列を気にしないでおこうと思ったんです。でも、このやり方を他人に勧めるときに「自由に貼ってみ?」っていうのは面白くないなと。何かテーマがほしいと思って、考えたのが「いろは」の見出しを貼っていくことでした。「と」なら「東京タワー」の写真を貼ったりね。写真を見たときに感じた言葉をもとに貼っていく『いろは式アルバム』が生まれたんです。「ぬ」はなかなか出てこなくて、結局おしろい「塗りたくり」にしたけど(笑)。タイトルは何でも好きなものでいいんですよ。
もちろん、そのときどきの写真を現在進行形で貼っていったらいやでも時系列になります。仕方なく時系列になってるだけなの。でも、以前の私みたいにいっぱい写真がたまってる人は悩む必要ないんです!「いろは」で好きなように貼っていったらいい。特に私たちみたいな年寄りのアルバムは、何冊も残しても次の世代が困るだろうし、見てもらえないと思います。それだとせっかくの写真がかわいそう。なので同世代の方には、古いアルバムの中からお気に入りの写真だけを一冊の『いろは式アルバム』にまとめ直すということをお勧めしています。

―その他には、どんなアルバムの作り方がありますか?

もうひとつは、私の名前を付けた『家系の写真集・千代』というアルバムです(商標登録もしてるんですよ!)。これは、もともと写真スタジオをやっていたときに、「お年寄りのお祝いに送りませんか」と考えたアルバムです。たとえば主人の母には7人の子供がいるんですけど、1家族1枚ずつ、孫も結婚していたら1家族として写真を集めてアルバムにして、米寿のお祝いに贈ったんです。家系図も付けてね。今ならインターネットがあるから、もっと簡単に写真を集められるんじゃないですか?孫世代が親族に呼びかけて、おばあちゃんのお祝いなんかに作ってあげてほしいなと思います。

この逆パターンのアルバムもありますよ。子供って2~3歳になるともう自分の写真が判別できるんです。お父さんお母さんも、おじいちゃんおばあちゃんの顔もわかる。でも、さらにその上の世代の写真までまとめたアルバムっていうのもいいんじゃないかと思っています。「おじいちゃんおばあちゃんにも、お父さんお母さんがおったんや!」ってビックリするし、それを知っておくと思春期にもしも「自分なんかおらんでもええねん」って気持ちになったときにも、「自分の命は代々つながってきた」というのが支えになってくれるかもしれないなと思うんです。

自分のアルバムを見るだけで、元気になったり、会話が生まれたり。

―アルバムや写真の魅力は、どういうところにあると思われますか?

やっぱり自分のアルバムを見ることで、若い頃の写真から力をもらえるんだなと思うことがあります。いろんなところでアルバムについてお話させていただいているんですけど、とある参加者の方が介護施設の面会にアルバムを持っていったら、話が弾むようになって、施設を訪れる回数が増えたんですって。お年寄りって昨日のことは忘れても、数十年前のことは思い出したりしますから。今どきの人も、たくさん撮るだけじゃなくて、お気に入りの写真はプリントしてもらいたいですね。時間がなかったらとりあえずプリントしておくだけでもいいんです。スマホの画面じゃ誰かと一緒に見ようと思っても見づらいですよね。アルバムにするから一緒に見やすいし、数十年後忘れた頃にまた見返せるっていう魅力があることを伝えていきたいです。どうしたら伝わるんかな~。

―藤井さんにとってのアルバムを、ひとことで言うと?

「宝物!」アルバムには本当に力があるのよ。自分の若い頃の写真を見て力をもらえるし。「今はシワシワやけど、昔はキレイやってんで!」とか。そんなふうに元気になったり、家族で集まったときに会話が生まれたり。だから本当に自分自身の「宝物」だと思います。

写真整理研究家 藤井 千代江

1941年生まれ。写真家のご主人とともに写真館「フジスタジオ」を運営。写真館を閉館した2005年以降は、独自に考案した「いろはアルバム」「家系の写真集・千代」などの写真整理術を「写真整理楽」として広めている。還暦を迎えてから高校入学。その様子は、実娘の漫画家ひうらさとるにより『女子高生チヨ64』(講談社刊)としてマンガ化されている。

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