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アルバム工場インタビュー つくり手に聞く 『100年台紙』ができるまで

品質保証室佐藤さん 製造課神田さん『100年台紙』ができるまで

みなさんがお使いのアルバムは、どこでどのように作られているかご存じですか?日本最大のアルバムメーカーであるナカバヤシの生産を支える島根ナカバヤシは、島根県に複数の工場を構え、国内外へアルバムを供給する一大拠点となっています。
今回は、そのうちの佐田工場で製造に取り組む神田さん、松江工場で品質保証に取り組む佐藤さんに、ナカバヤシの人気商品『100年台紙』にまつわるインタビューを実施。高い耐久性を誇るこのアルバム台紙がどのように作られ、その強さを実現されているかをおうかがいしました。

30年の月日にも負けない、新しい台紙を。

―『100年台紙』という商品は、いつごろ、なぜ誕生したのですか?

神田『100年台紙』は、平成14年に生まれた商品です。ちょうど通常のフリー台紙を発売して約30年が経過した頃だったので、変色や退色、湾曲などの劣化の問題が出はじめていたんです。台紙の劣化は、写真にも影響を及ぼしますし、のりが固まると写真を剥がせないケースもあります。そうなる前に新しい台紙に貼り替えていただくとしても、同じ台紙のままでは30年後にまた同じ問題が繰り返されてしまいます。そこで、「もっと長期間保存できる台紙の開発に挑戦しよう」ということになったんです。

佐藤『100年台紙』に用いられている「アルミでラミネートする」という技術は、実は開発以前からあったものです。当時はあくまでウェディング用アルバムなどの装飾のためにアルミが貼られていたのですが、「この技術を長期保存用の台紙に活用してはどうか」ということになったんです。

―開発で苦労されたのは、どういったポイントですか?

神田『100年台紙』の開発は、手探りの状態でのスタートとなりました。ラミネート機を新たに導入し、アルミの貼り合わせや着色、エンボス加工など、何度も試行錯誤を繰り返しながら製品化を目指しました。特に苦労したのは、台紙への着色です。『100年台紙』はビス式のアルバムにも用いる台紙ですので、ロットごとに色目のバラつきがあると、後日補充するときに不揃いになってしまいますから。

佐藤そうですね。色調を安定させるのはなかなか大変で、たとえば同じピンクでもインクの粘度によって濃淡が出てしまうんです。また、台紙に均一に細かな凹凸をつけるエンボス加工についても、均一に入れるのに苦労しました。エンボス加工は、凹凸のあるロールと平坦なロールで挟んで施すのですが、平坦なロールの方の中央部分を両端より少し高くすることで、真ん中から端までまんべんなく凹凸が入るように工夫しています。

―発売されてからの反響はいかがでしたか?

神田『100年台紙』の良さは、使い続けてもらわないとわかりません。ですので、発売当初はアルミでコーティングされている分、他のフリー台紙よりもわずかに重いことなどについて、ネガティブな反応もありました。ただ、その後も粘り強くバリエーションを展開し、営業や販促活動を続けていくなかで、次第に売れ行きが伸びていきました。今では皆さんにご愛用いただいているベストセラー商品です。

「高品質」は譲れないポイント。品質管理を徹底。

―『100年台紙』の性能は、通常の台紙とどう違いますか?

佐藤台紙の劣化の主な原因は、紫外線や熱、湿気、空気中に含まれるオゾン、排ガスなどの酸化物が台紙に吸収されてしまうことです。その点『100年台紙』は、原紙がアルミで保護されているため、空気に触れることがほとんどなく、非常に高い耐久性を誇ります。恒温恒湿機での加熱による経年劣化速度の測定試験では、通常のフリー台紙の約4~5倍の耐久性となる結果が出ています。
また、台紙に施されたエンボス加工の凸部分だけに再剥離性の高い独自のゴム系微粘着剤が塗布されているため、写真やフィルムの貼り剥がしが非常にスムーズです。粘着力が弱すぎると写真が浮いてしまい、強すぎると写真を傷めますから、この粘着剤については、のりメーカーとともにかなりこだわって開発しました。

―『100年台紙』は実際にどのように生産されていますか?

神田まず、マシンにセットされたロール状の原紙をアルミ箔でラミネートしていくのが『100年台紙』の最大の特長です。ラミネートから台紙の製造までを行っているのは、国内でも佐田工場ぐらいではないでしょうか。6.5ミクロンという非常に薄いアルミ箔を使用していますので、高い技術力はもちろん、その日の状況によってきめ細やかな対応が求められます。たとえば気温が低い冬場は、アルミ箔が硬くなってシワが入りやすくなるため、製造スピードを落として工業用ドライヤーをゆっくり当てて温めていくなど、アルミにシワが入らないよう注意しています。
また、その後の工程についても、「アルミの接着」「着色・色目」「エンボスの深さ」など、品質管理表の項目に基づいて都度チェックしながら進めていきます。「高品質」であることは、『100年台紙』にとって絶対に譲れないポイントですから。

アルバムを開くのは、「宝箱」を開くのに似ている。

―これから『100年台紙』を使用されるお客様へのメッセージをお願いします。

神田『100年台紙』の需要は年々増加しており、今では台紙総生産数の約40%を占めるまでになっています。私たちも、大切な写真を貼られているお客様のお顔を思い浮かべながら日々生産していますので、ぜひ『100年台紙』でいつまでも写真をきれいに残していただければと思います。

―神田さんにとってのアルバムを、ひとことで言うと?

神田一冊のアルバムを広げれば、大切な写真たちをみんなで一緒に見ることができますよね。その情景を考えると、思い出をとっておく「宝箱」のような感じがします。

製造課 神田雅志

1986年ナカバヤシ(現 島根ナカバヤシ) 入社。佐田工場で、表紙・台紙の製造・開発に約30年携わる。台紙のスペシャリストで、100年台紙はもとよりライト台紙・プラコート台紙・印刷台紙・輸出台紙にも精通している。趣味は釣りで、休日は魚を求めて海へ川へと出かける。釣り好きが高じて、娘に魚の名前を付けてしまうほど。また、近隣の小学校のバレーボールチームの指導も行っている。

品質保証室 佐藤要

1986年ナカバヤシ(現 島根ナカバヤシ) 入社。佐田工場でアルバムの品質管理に携わる。2007年、品質保証室が設立されると同時に配属(出雲工場)。製品評価、材料調査、クレーム対応などの業務に携わり、ISO9001(品質マネジメントシステム)の管理責任者を務める。品質保証室の移動に伴い、2014年より松江工場で勤務。


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