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アルバム修復職人上垣さんに聞く 記憶にのこる一冊

アルバム修復職人上垣さん 記憶にのこる一冊

TV-CMでも話題になった天空の城「竹田城跡」から西へ車で50分ほど、兵庫県養父市の静かな山あいの町に、その製本工場はあります。大学や研究所、博物館、自治体等から依頼を受け、ひとつひとつの図書を手作業中心で製本・修復。その中心にある小部屋で、洋書やアルバムを一冊一冊修復する職人の上垣さんにおうかがいしたのは、アルバム修復について、そして記憶にのこる一冊について。飾らない、訥々とした語り口からは、仕事に対するまっすぐな姿勢が感じられました。

タイムマシンか何かで「元通りになった」みたいに。

―上垣さんは、どんなお仕事をされているんですか?

洋書の修復が中心です。アルバムもときどき。洋書は月に100冊前後修復していますが、アルバムは年に10冊ほどでしょうか。この仕事は40年やっているので、単純計算で言えば400冊ほど修復してきたことになるのかもしれません。

―お仕事の中で心がけていることは何ですか?

写真を落とさないように気をつけます。昔のアルバムって、あの三角のフォトコーナーで写真を留めてるでしょ?あとは、のりでちょっと貼ってあるとか。そういうのが外れて、写真が落ちてしまうことがあるんですよ。そうするともう、持ち主の方でないとどこに貼っていたかわからなくなってしまう。「できるだけ元通りにする」というのが私たちの仕事ですから、そこは気をつけます。

―実際の修復作業でも「元通り」を意識されているのですか?

破れた表紙の修復でも、裏側から補強して見た目にはほとんど変わりないようにしたり、いかに手をかけたかわからないように直すのがポリシーです。「ここ張り替えたんだな」「ここ直したんだな」じゃ、本当の意味での修復になりませんから。そのアルバムの元々の姿を知っている方が、修復されたアルバムを見ると驚かれます。タイムマシンか何かで「元通りになった」みたいに思われるんですよ。

どう直したかわからないでしょ?それがやりがいです。

―これまで手がけたアルバムの中で、記憶に残っているものはありますか?

たとえば、アルバム修復サイトでも掲載させていただいているこちら
(http://www.realbum.jp/voice/voice03.php)は、比較的中身がキレイだったので軽い修復で済んだんですけど、表紙に新しい素材が必要だったので、できるだけ似た素材を探しました。全く同じ素材はありませんが、せめて色ぐらいは、と。
箔押しの書体も近いものを探して。費用をかければ、全く同じ書体の版をパソコンでつくることもできますよ。もうひとつは、背から離れていたので、その修復ですね。実はこの台紙、つながったところで一度切り離してるんですよ。この根っこの方の部分、「アシ」と呼ぶんですけど。ここで台紙が折れて開くようになってるんです。だから一度切り離して、一枚一枚台紙をキレイにして「アシ」を継ぎ足していくんです。手間はかかりますが、手応えはあります。お客様からも「オリジナルでキレイになってる?」とのお声をいただけましたし。修復したアルバムだけ見ても、どう直したかわからないでしょ?それがやりがいですよ。

―「元通りに修復する」以外のケースもあるのでしょうか?

ありますよ。こちら
(http://www.realbum.jp/voice/voice04.php)は、背幅に収まらないほど台紙を増やされていて、変形してしまっていたんです。このまま修復しても背表紙がまた破れてしまうので、「分冊にしてはいかがですか」とご提案しました。分厚くなりすぎると見づらいし、いろんなところに負荷がかかりますから。背表紙には金唐紙を使っているんですが、そうした装丁はご要望にお応えして新たにつくりました。中の台紙や写真は「元通り」です。こちらも「アシ」を切って継ぎ足してるんですよ。

―一人前の職人になるには、どのくらいかかりますか?

うーん、5年ぐらいで「まあ任せられるかな」という感じです。ベテランになると、ご依頼のアルバムを見ただけで修復工程が頭の中でできあがるんですよ。やりながら「次はどうしよう」なんて思いません。若手だと迷うでしょうね。いつも教えているのは「手を抜くな」ということ。万一手を抜いてしまったら、次の工程で必ず詰まっちゃうんです。たとえば表紙の裏に紙を貼って補修するにしても、きっちり貼っておかないと次の工程で剥がれたり。そうするとまたやり直し。常に手を抜かずにやっていけば、ちゃんとした仕事ができるんですよ。

―上垣さんにとってのアルバムを、ひとことで言うと?

そうですね。やっぱり「思い出を残すもの」ですかね。ですので修理するときはお早めに。どうしようもないくらいボロボロになってしまうと、修復も大ごとになりますから。

アルバム修復職人 上垣 力

1973年兵庫ナカバヤシ入社。
以来41年、洋書・アルバムの修復作業に携わる。
製本・修復したアルバムには、郷土資料としての歴史的な写真資料集など、公的なものも少なくない。

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