第2回 アルバム「いい話」コンテスト グランプリ決定!
本コンテストへのたくさんのご応募ありがとうございました。
頂いたエピソードには全て目を通させて頂き、
家族や仲間の記録を残すものとして、また想いを繋ぐものとしてアルバムは役割を果たしているんだと改めて感じられました。
たくさんのエピソードの中から、1作品を決めることは難しいことではありましたが、
アルバムが親子の想いを繋げた情景が印象的であったことが決め手となり、グランプリ作品を選出しました!
惜しくもグランプリを逃した、エピソードの中から特徴的なアルバムの力が感じられる4作品を急遽、優秀賞として選出しました。
アルバムがあったからこそ生まれた、感動の詰まったエピソードをお読みください。
うちの家庭は母子家庭だった。父は私が小学校に上がる前に病気で他界した。
母は専業主婦だったが私を育てるためパートに出るようになった。
恐らくそんなに高くはない給料だっただろう、母は決して自分にかける贅沢はしなかった。
私が小学校3年生になった年、そんな母がフィルムカメラを買って帰ってきた。
父が亡くなってから全然写真を撮らなくなっていたことに気づいたらしい。
「これからはお父さんのぶんまでいっぱい色んな写真を撮ろうね」と言っていた。
母は言葉通りイベントはもちろん、何気ない普段の写真も撮るようになった。
お世辞にも上手い写真ではなく、ピンボケやフレームから外れているような写真が多かった。
しかし、どんな写真であれ私は撮ってもらえることがうれしかった。
たくさんの写真をとるので、うちのアルバムはとても大きいものを買っていた。それが埋まっていくのがとても楽しかった。
時が経ち私は高校生になっていた。反抗期に入っていた事もあり、私は写真を撮られることを拒否するようになった。
新しく買ってあったアルバムには、最初の数ページが埋まっただけで、その後は新しい写真が増えることはなくなり、アルバムの時は止まってしまった。
私は高校卒業後、就職し県外で働くようになった。
うちへ帰るのは年に数回で、アルバムのことなど忘れてしまっていた。
そんな私にも恋人ができ、無事結婚し子供もできた。
子供ができてから私も写真を撮るようになった。
撮った写真を母にも見てもらおうと現像した写真を裸で持っていった。
母は孫の写真をとても喜び「この写真もらってもいい?」と聞いてきたので、そのつもりだったからいいよと答えた。
すると母は例の大きなアルバムを持ってきた。私の高校の入学式の写真で止まっていたアルバムに私の子供の写真を貼り「またこのアルバムを埋めることができて嬉しい」といった。
止まっていたアルバムの時はまた動き出した。
さとつ さん
審査員コメント
アルバムに残す想い出の写真は「家族の歴史」そのものだと強く感じられるエピソードです。
写真・アルバムというカタチで残せなかった時期があることはとても寂しく、後悔する気持ちもあったと思います。
それでも、お子さんの誕生をきっかけにアルバムに新しい写真が貼られ、再び歴史が動き出したことで、家族の絆がより一層深まったのではないでしょうか。
全ての家族にとって、アルバムが絆を繋ぐ存在であって欲しいという願いも込めて、このエピソードをグランプリとして表彰します。
結婚式を3か月後に控えた妹から、急に電話がかかってきた。
披露宴で流すフォトムービーに使う写真を探すため、実家に戻ってきていたらしい。
電話の向こうからは、母と妹の笑い声。楽しそう、を通り越して、とにかく腹がよじれるほど笑っている。
どうやら、見つけ出した写真に添えられたコメントがよほど面白かったらしい。
はて、母はアルバムなんて作っていなかったから、戸棚の中にざっくりとまとめて収納されている四姉妹の写真が誰が誰やらわからなくて困ると姉の結婚式のとき言っていたのに…
と不思議に思っていると、なんとそのコメントは、小学生のころ、フィルム屋さんが無料でつけてくれていたアルバムに書き添えられた、私のコメントだったのだ。
電話越しに伝えられたそれはまったく記憶になかったが、急に可笑しさがこみあげてきて、電話の向こうとこちらで大笑い。
なんでもない写真なのに、こんなことを思っていたんだね、などと言い合って電話を切ると、一人暮らしの部屋はしんと静かになった。
三か月後の結婚式では、数えきれないほど写真を撮って、あふれるほどコメントをつけたアルバムを贈ってやろうと思った。
そめこ さん
審査員コメント
アルバムに残すコメントはその時の気持ちがそのまま表れるもの。自分が何を思っていたかなんて、時間が経てば忘れてしまいますよね?
短い一言も、くだらないなと思うこと、どんな言葉でもいいんです。アルバムに残しましょう。
このエピソードの様な爆笑を呼ぶ場合もあれば、忘れてしまっていた素敵な出来事を思い出させてくれるコメントになるかは、後になってみないと分かりません。
アルバムは単に写真を保管する道具ではなく、後からでは思い出せないその時の気持ちや想い出を大切に護ってくれるタイムカプセルでもあるのです。
小学校の入学式の日、下の娘はどうしても行きたくないと駄々をこねた。
パジャマの上から光るランドセルを背負って、しゃがんでいる。
どうやら今日の一張羅が姉のおさがりだということが気に入らないらしい。
どうなだめても、似合う似合うとおだてても来てくれない。
そこで、私は自分の箪笥から、スーツを一着と古いアルバムをとってきた。そして、アルバムの1ページを娘に見せる。
茶色く変色した一枚の写真には、そのツイードのスーツを着た別の女性がいた。
黒髪が腰までまっすぐに伸び、ちょっとはにかんで玄関の前に立つ素敵な女性が映っていた。
「これ、誰だと思う?」わたしの問いかけに娘は涙でぬれた目をこすりながら、「ママのスーツを着ているけど、ママじゃないみたい…」といった。
そこには40年ほど前の私の母が映っていた。
「ばあばだよ。ママはばあばにもらったこのスーツを大切に着ているの。ばあばのあったかい気持ちや、その時頑張っていたことをママも一緒に感じながらね。」
すると娘は姉のおさがりを着だした。
「入学式、どきどきするけど、お姉ちゃんも一緒にいる気がするから大丈夫」と。
みゃーらん さん
審査員コメント
写真の説得力、残しておくことの大切さを強く感じられる一場面です。
きっと、アルバムに写真が残っていたからこそ自然とママの想いが伝わったのだと感じます。
誰かと一緒にアルバムを開くことで自然と話が盛り上がったなんて経験がありませんか?写真にはたくさんの情報量が詰まっています。
アルバムに残していつでも見返せるカタチにすることで、想いを繋ぐ手助けができるんだと感心しました。
今から5年前の秋。
気軽に「やりたい!」と娘が言ったことでスタートした剣道。
その世界を歩み始め、厳しい稽古にくじけそうな思い、試合で勝てなくて、悔し涙がこぼれる経験をたくさんしてきた。
やめたいな…そんな心が折れそうになる娘の姿も時にはあった。
それでも続けてこれたのは、娘に仲間がいたから。
一番の応援団として見守ってきた私は、昨年から他の写真とは独立させた“剣道アルバム”を作り始めた。
竹刀を持ったばかりのころから、防具をつけた日常の稽古風景や、試合のデビュー戦など。
とにかく剣道が生活の一部になってたので、あらゆる場面でカメラを向け記録を残した。
試合で勝利した写真が徐々に増えてきた。
アルバム作りが楽しくて、時間を忘れて作ることもあるほどに、私はその時間が幸せなのだった。
昨年の夏、広島県代表として全国大会出場を果たし日本武道館へ行くことができた。
チーム仲間と団結し、試合で結果を残せるようになってきたのもこのころ。
とにかく強くなりたい…と前向きになっていた娘。
しかしそんな矢先、冬に夫の転勤で関東へ引っ越すことが決まった。
娘と一緒に戦ってきた仲間たちとの別れは辛かったが、「今年の夏は、武道館で会おう!」と互いに誓いあったのだった。
春、新しい道場で稽古をする娘は真剣だった。
目標をもって取り組めば、場所が変わっても見えてくる道はひとつなんだと、打ち込む姿勢で教えてくれた。
そんな娘の支えになったのが、剣道アルバムだった。
懐かしそうに眺める姿。
一緒に戦い、喜びも、悔しさも分かち合った仲間と離れ、しかし互いに武道館目指して県大会を勝ち抜く決意がブレないよう、自らを奮い立たせてるかのようにページをめくる時間が増えていた。
そして、宣言していた神奈川県代表となり、全国大会の切符を手に入れたのである。
こちらのチームでも仲間に恵まれてる娘なのだ。
この夏、広島県代表として広島の仲間たちも勝ち抜いていた。
お互いに交わした約束を叶えて、“日本武道館”で会えたのである。
しかもあの広い会場のなかで、偶然にも隣の席だった奇跡。
ミラクルな出来事は、偶然でなく必然だったのかもしれない。
そう感じたのは、互いに初対面のチームにも関わらず自然と一丸となり、相手チームの試合を応援しあう姿があったから。
娘を取り囲む心温まるみんなの気持ちに、感動が抑えられなかった。
「武道館で会おう!」との約束を果たせた仲間との絆。
喜び合い再会できた姿をカメラに収めることは、忘れなかった。
これほどまでに喜びを感じるのは、辛い事も乗り越えた日々があったからだと、アルバムが教えてくれる。
記憶で忘れかけてしまう過去、その当時を写真とコメントが、語りかけてくれる。
これからは、新たな仲間たちとの歴史が刻まれていくアルバムになるでしょう。
娘と過ごすかけがえのない時間を、心に刻んだ記憶だけでなくカタチに残る物として私が必要としている。
家族の誰もが再びあの時を感じられることができるアルバムとして、これからも歩んできた証を残していくつもりだ。
ポンチョ さん
審査員コメント
アルバムにはこれほどまでに気持ちを奮い立たせる力もあるのかと驚かされたエピソードです。 打ち込んでいる剣道に絞ることで、努力や成果を写真と一緒に振り返えることができるため 自然と手に取って見返したくなるアルバムになっていたんだなと感心しました。 まさにアルバムが心の支えになっていた、心温まる素敵なお話でした。
平成29年7月下旬に自分に第一子が生まれた。
その子が妻のお腹にいるときに自分の古いアルバムを見ながら、よく話していたことが『ポンちゃん(自分)に似た男の子が欲しい♪』と。
恥ずかしながらポンちゃんは自分の愛称だ。
45年前に自分が生を受けた時から父母が自分のおいたちの写真を収めた古いアルバムがある。
シミや汚れがあって古さを感じさせるものだ。
アルバムの中には生まれて間もない頃の自分の姿がたくさん収められている。
おそらくは父が撮影したのだろう。なぜなら自分と父が一緒に写っている写真が少ないからだ。
かわりに自分と母、祖父母が写っていたりする。
両親の期待や不安、愛しさやすべての想いが写真を通じて伝わってくる。
そんな自分のアルバムに写っている自分の顔の目鼻、顔の輪郭とこのたび生まれた第一子を見て、いい意味で『やっぱり自分の子だわ!鼻が自分の鼻と一緒だわ!赤ちゃんの時の自分と一緒だわ!』と思わず唸ってしまった。
同時に思ったことが、自分と同じ形のアルバムは今でも売っているのかな?
調べたらデザインは微妙に変わっているけれど、それに近い形のデザインのもが売られていて驚きと嬉しさを感じた。
どうやらデザインが受け継がれていたようだ。真っ先に注文した。
父母が想った願いを経て、自分の今の想いが同じく子どもにも少しだけでも伝わってほしいと思った。
届いたこのアルバムに子どものこれから成長する姿を綴っていこうと思う。
ポンちゃん さん
審査員コメント
ファーストシューズやお食い初めなど、赤ちゃんの「はじめて」はどれもかけがえのない想い出。アルバムも同じく「ファーストアルバム」と呼ばれて、お名前を刺繍したものが人気です。
大切な「はじめて」だからこだわりたいという方はたくさんいらっしゃいます。
同じデザインもこだわりのポイント。デザインがそっくりだと、親子の繋がりが感じられますよね。
ファーストアルバム用には可愛いアルバムがたくさん用意していますが、選ぶ前に、パパママのアルバムを見返してみては?このエピソードの様に素敵な繋がりがみつかるかもしれません。
テーマ:アルバムにまつわる「いい話」
アルバムをつくっていたからこそ生まれた心温まる話、感動する話、笑える話などを集め、アルバムの持つ力・良さが伝わるエピソードを募集します。
グランプリ:賞金 5万円(1名)
※「該当作品なし」となる場合があります。
テーマ | アルバムにまつわる「いい話」 |
募集要項 | アルバムをつくっていたからこそ生まれた心温まる話、感動する話、笑える話などを集め、アルバムの持つ力・良さが伝わるエピソードを選出します。 |
賞および副賞 |
グランプリ…1名(副賞5万円) ※「該当作品なし」となる場合があります。 |
応募資格 |
プロ、アマ、国籍、性別、年齢に関係なくどなたでもご応募できます。
※副賞の振込・発送は国内のみとさせていただきます |
応募点数 | 制限なし |
日程 |
募集期間:2017年7月31日(月)~9月19日(火)までの約1ヵ月半 結果発表:2017年10月31日 |
応募方法 |
WEB上の専用フォームから「題名」「エピソード」を投稿してください。
「題名」は最大100文字以内、「エピソード」は200~600文字程度で受付けます。 |
審査 | ナカバヤシ社員による審査 |
応募規約 |
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