弊社ナカバヤシから販売しております、布クロスを使用したファブリックアルバムは、その優しい手触りと風合いで、たくさんの方にご利用いただいております。一言に布クロスと言っても、素材や織り方などは様々で、弊社アルバムに使用している布クロスもまた、それぞれに表情が違います。
そこで今回は、生地の供給を行っていただいております、「双日ファッション株式会社」の石森さんに、布クロスの特徴、お手入れ方法についてお聞きしてまいりました。
―弊社よりすでに販売させていただいております布クロスアルバムの生地についてお話しいただけませんか
ナカバヤシさんに取り扱っていただいている、布クロスは衣類などで利用する素材と同じです。
それぞれ、織り方によって表情が変わって来るので織り方を交えて説明させていただきます。
まず、「ドゥファビネ 」に利用している布クロスは平織り(ひらおり)と言う織り方をしています。
平織りとは、たて糸とよこ糸を交互に浮き沈みさせて織る、最も一般的な手法で広く利用されています。
できあがった模様は左右対称になり、規則正しく落ち着いたイメージになります。
代表的な織物にオックスフォード(オックス)があり、
「ドゥファビネ」に利用している布クロスもこのオックスフォードでございます。比較的厚地で光沢があって、織り目がはっきりしています。
続いて、「クラッシモ」「テラコッタ」で利用しているのは、綾織り(あやおり)と言う織り方です。
先ほど説明させていただいた平織り(ひらおり)の、たて糸とよこ糸を交互に織る事で、左右対称な模様になるのと比較して、糸の交差する部分が斜めに走って行くので、斜め模様に見えるのが大きな特徴です。皆さまが普段使いで親しまれているデニム生地もこのタイプですし、コットンパンツやジャケットなどの素材として用いられることも多い生地ですね。
丈夫で手触りが良くて皺になりにくいといった特長があります。
「クラッシモ」「テラコッタ」共に綾織りですが、使用する素材や交差する糸の本数を変える事で、斜めの線を強調させたりと様々な表情を表現する事が可能です。
いずれも、優しく快い手触りのコットン生地で、染め色も綺麗に表現されていますので、大切な思い出を刻むアルバムの表紙にはもってこいではないでしょうか。
―今回、御社にご協力いただき、弊社から新たに綿麻生地を使った布クロスアルバムを販売させていただくことになりました。
この綿麻混キャンバス生地は、非常に人気があって親しみやすい布地になります。 麻は涼感があり、ハリとコシのある素材ですが、更に綿と麻を使用する事で、麻の素材感を残しながら綿のしなやかさと柔らかさを併せ持たせた素材です。また、天然素材ならではの素朴で優しい風合いを活かすために、あまり主張しすぎない平織りを採用しています。 見た目や手触りからも感じ取っていただくことができると思いますが、仕上げ加工で生地に洗いをかけることにより、より柔らかくナチュラルな風合いを実現させていただきました。 長い年月を経てもより愛着のわく、親しみや安心感の持てるアルバムが完成したと喜んでいます。
―布クロスアルバムの管理方法や、もし汚れてしまった場合のおすすめのお手入れ方法などについて、アドバイスいただけますか?
布ですので、水に濡れるとその部分が後々シミになってしまったり、変色してしまう恐れもありますので、湿気を避けて保管されることをおすすめします。 日焼けも表面の傷みや変色の原因になりますので、直射日光が当たらない場所で保管していただくと、比較的良好な状態が保てるかと思います。 また、表面が汚れてしまっても、その部分を強い力でゴシゴシこすったりすると、布地が傷んだりそこだけ色落ちしてしまったりするので、 軽く湿らせたふきんなどでポンポンと叩くようにして汚れを落とすよう心がけていただきたいです。 油汚れなどはどうしても、布地にしっかり染み込んで落ちにくくなってしまいますので、特に注意が必要かと思います。
―最後に、布クロスがアルバムに活用されることに対する、率直なご意見やご感想などを語っていただけると嬉しいです。
アルバムは、特別なものです。 大切な人たちと撮った記念写真、思い入れのある1枚、いつまでも心に刻みつけておきたい風景画… だから、アルバムそのものの風合いも、特別感があるといいですよね。 その「特別感」を弊社のファブリックを通してカタチにするお手伝いができることは、とても光栄なことだと思っています。 布クロスアルバムを通して、見返して楽しむという贅沢であたたかいひとときを楽しんでいただけるようになってもらえたら、こんな嬉しいことはありません。
生地の卸カタログ販売を行っている「双日ファッション株式会社」に在籍。
テキスタイル色彩、柄、素材の企画から販売まで、ファッションという手段を通じて時代をトータルにクリエイトしていくことをモットーに、「お客様と共に成長する、GLOBAL TEXTILE CONVERTER」を目指し、日々ご活躍されております。