ナカバヤシは現在、雑貨デザイナーのShinzi Katohさんとのコラボアルバムを企画・販売し、多くの方々からご好評をいただいています。
そこで今回は、雑貨、靴、服、絵本、ジュエリーなど、40年以上を超えるキャリアの中で1万点以上の様々なデザインを世の中に送り出し、世界中に多くのファンをもつShinzi Katohさんに、アルバムにまつわるエピソードや、ご自身のこだわりなどについてお話しを伺いました。
―雑貨デザイナーとしてのこだわりや、日々大切にしていることはどんなことでしょう。
「長く続くものを創りたい」という思いで、作品づくりに取り組んでいます。一過性のものは、どこか乱暴な気がしてね。長く愛される・求められるものを、残していきたいなと思っているんです。デザインするときに大切にしていることは、色合いや風合いです。流行はあまり追わないし、気にしません。
このスタンスで手がけてきた私の作品に対して、ありがたいことに、「癒し系」などという称賛の言葉をいただくことがあります。作り手としては特に「癒し系」を目指そうと意識しているわけではないのですが、私の作品づくりへの思いが、手に取る人に自然に伝わって、日々身近に置き、長く愛用してもらえるのなら、こんなに嬉しく幸せなことはありません。
―Shinzi Katohさんご自身の、アルバムに関する思い出、エピソードなどを聞かせてください。
父親が、写真の構図などにとてもこだわる人だったのです。私自身、幼い頃はそのことに気づいていませんでしたが、今振り返ってみて、そうだったんだろうなぁと感じるのです。同じ写真を撮るにしても、ポーズを少し変えてみたりしながら、何パターンか撮影するような人でした。幼かった私にとっては、時には少々面倒に思えるし、恥ずかしくもありましたね。写真を撮るだけのことなのに丁寧に時間をかけるものですから、周りの目も気になりましたし、内心「早く終わらないかな…」と(笑)。
でも、そのちょっとした構図にこだわる部分とか、写真一枚も“作品”だといわんばかりに丁寧に仕上げようとする姿勢に私は知らず知らずのうちに影響されていたのかもしれません。今の仕事に就く道標の一つになったのかもしれないと思うのです。
―ご両親はどんな方々だったのでしょう。
一言でいうと、「私の未来を夢見て信じてくれた人たち」です。心から感謝しています。
絵を描いたり文章を書くことの楽しさを教えてくれたのも両親、特に父でした。父の発案で「1つのテーマを決めて家族で詩を書こう」というようなこともしていましたね。幼い頃から絵を描くことが好きだったのですが、そう導いてくれたのは父親です。のびのびと描かせてくれるだけでなく、ミュージアムなどにも積極的に足を運ぶよう熱心に薦められました。
読書も好きなのですが、これも、両親の薦めによるところが大きかったですね。その時々、年齢に応じた本をプレゼントしてくれましたから。
―ナカバヤシとのコラボアルバムについて、聞かせてください。
ナカバヤシは、「確かな歴史のなかで、アルバムを作り続けて来られた信用のある会社」という印象があります。だから、今回のお話をいただいたときも、私で協力できることがあればぜひお手伝いさせていただきたいと思い、快く受けさせていただきました。 いつも、コラボレーションなどのお仕事を受けるときは、組んでお仕事をさせていただくお相手がどんな方なのかを自分なりにしっかりと見て、その人となりや想いを快く受け止めることができるかどうかに重きを置いて判断しています。 今回、ナカバヤシさんとコラボさせていただくことで、多くの人たちが、それぞれの夢を、または思い出を刻むという瞬間に、作品を通して関わることができればと思いました。
―アルバムは思い出の写真に限らず、「作品を残す」ということに関しても役立てていただけると思うのですが。
そうですね。私の作品の一部を、両親はとても大切に記録として残してくれていたのですが、絵や写真、詩などをしたためたものを、アルバムにスクラップブッキングするというのも、一つの素晴らしい使い方だと思います。
時代を経て、アルバムもとても「自由」なものになったと、私は思います。捉え方一つで、工夫次第で、何通りもの使い方や楽しみ方ができるでしょう。視点を変えて、どんどんいろんな活用術を見つけ出していったらいいと思いますし、そうするべきですよね。
―心から楽しんで、仕事に取り組んでいらっしゃるShinzi Katohさんならではの、アドバイスですね。
“仕事も生活”ですから、生活の“重要な”一部です。だから私は常日頃から仕事を楽しむこと、楽しもうという姿勢がとても大事だと思っています。
いろんな方の支えがあり、今日の私があります。人は一人では生きていけないし、世界中の人々に愛してもらえるようになった私の作品も、一人ではここまで成り立つことはなかったものばかりです。
アルバムに、思い出や夢を刻むときにも、ただ“記録”するだけでなく、そんな温かい「想い」や「感謝の気持ち」などを表現できる機会の一つとなれば素敵ですよね。
―最後に。Shinzi Katohさんにとってアルバムとは…を一言で表現すると?
「まったく異なる記憶の道程が刻み込まれている、多趣のステージ」ですね。
ナカバヤシさんとコラボさせていただいたアルバムが、各地で、どんなステージを演出することになるのか…。楽しみです。できれば、実際にアルバムを手に取り、使っていただいている方々の声を受け取ってみたいです。
雑貨、靴、服、絵本、ジュエリー等、40年以上を超えるキャリアの中で10,000点以上の様々なデザインを世の中に送り出している。優しいタッチで描いた人気キャラクターとのコラボレーション作品など、魅力的なデザインで世界中で多くのファンを魅了している。