子どもが生まれると、毎日が新鮮。シャッターを切る回数も自然と増えてしまいます。でも、撮った写真をきちんとアルバムにまとめ続けているママは、意外と少ないんじゃないでしょうか。
「子ども写真整理収納術」セミナーを開催されているEmiさんは、双子を育てるワーキングマザー。ムリなく続けられるアルバムのつくり方、そしてナカバヤシ株式会社との協力で『Year Photo Album』をプロデュースされたお話も合わせておうかがいしました。
―Emiさんは、どんなふうにアルバムをつくられているんですか?
1年間に「ざっくりアルバム」「とっておきアルバム」の2冊をつくっています。「ざっくり」は迷った写真を年に一度まとめて印刷するフォトブックで、「とっておき」は大切な写真を一枚一枚プリントして差し込むアルバムです。
―「とっておきアルバム」もフォトブックにしなかったのは?
子どもたちが写真を見ることで、記憶になってるんだなと感じることがあるんです。たとえば一度しか遊んだことがないお友達のことも、写真を見てずっと覚えていて。たぶんみなさんも、幼い頃の思い出って写真があるから覚えているというのもあるんじゃないかと思います。そう考えると、子どもたちの記憶が薄れないうちに写真をプリントして、アルバムに少しずつまとめていくのが大切だなと。
せっかく行った旅行や、遊んだ思い出も忘れられてしまうと悲しいし、お父さんお母さんに大事に育てられていることも、アルバムからなんとなく伝わるんじゃないかなと思っています。
手書きのメッセージでの愛情表現も、アルバムだからできることですよね。あ、でもコラージュしたり、ハート型に切り抜いたりまではしません。学生時代は凝ったアルバムをつくっていましたけど、双子が産まれたというのもあって、絶対にムリだなと(笑)。産まれて最初の1年はがんばれてもなかなか続かないし、2人目が産まれてからはやめちゃったりというお話もよく聞きます。やってあげたい気持ちはあっても限界はあるし、ムリなく続けていくことの方が大切だと思うので、シンプルにやっていこうというスタンスです。ナカバヤシさんの『Year Photo Album』も、そういった考え方がもとになっています。
―Emiさんの「とっておき」アルバムのポイントを教えてください。
1年に1冊、1ヵ月1見開きで写真をまとめていくのが私のやり方です。『Year Photo Album』もそうなのですが、見開きで12ポケットのものがいいですね。左上の1ポケットに育児日記カードを差し込んで、残りの11ポケットにその月の写真を差し込んでいきます。最初はみなさん「11枚だけなんて選べない」とおっしゃるんですけど、いざ選んでみると意外とそれぐらいになるんですよね。1歳ぐらいまでは写真の数がすごく多いので、そのときは1ヵ月2見開きにしたり、1年で2冊にしたりといったこともおすすめしています。子どもが成長するにつれて写真の数も少なくなれば、そのときは1ヵ月3枚でもいいと思います。1番のコツは完璧をめざさないこと。「はみ出たら後ろに差し込めばいいかー」ぐらいのゆるいルールです。
―育児日記カードにはどんなことを書かれるんですか?
そうですね。読み返すと親バカ過ぎて恥ずかしいですけど(笑)。初めて私のことを目で追ってくれたときのこと、一緒に湯船に入れるようになったこと、最近では病気のことなんかも記録として書いたりしています。ゆくゆくは娘がこのアルバムを持って行って、育児に役立ててもらえたら。そのページが何月か、子どもが何歳何ヵ月かといったことも書いてあるので、見返したときにわかりやすいですね。
―アルバムづくりで、いちばん楽しいのは?
つくるときよりも、アルバムを見たときの子どもたちの顔が楽しみですね。うちでは子どもたちが絵本がわりに見ることもよくあって、私が何も言わなくても「どうしようかな、本見ようかな、写真見ようかな」とアルバムを持ってくるんです。特に3、4歳の子どもって、本当に写真が好きなんですよ。写真を撮ったその場で「見せて見せて」って言ってきますから。息子なんて変顔しかしない時期もありました(笑)。セミナーに参加してアルバムをつくられた方からも「アルバムがボロボロになるくらい、本当に毎日見ています」と聞かせていただいたりもします。育児日記カードもあるので「これ何が書いてあるの?読んで」とせがまれますね。はい、1年分全部です(笑)。
―アルバムが話のきっかけになることは、よくありますか?
アルバムってコミュニケーションツールでもあると思うんです。子どもたちはもちろん、主人が家族の思い出を振り返ってくれたり、おじいちゃんおばあちゃんが見ながら話したり。あとは、「自分のためでもある」と感じることもあります。育児って辛いこともありますけど、そんなときにアルバムを見て振り返ると、これまでがんばってきた軌跡みたいなものを感じることができて、自分を認めてあげられるツールにもなっている気がします。
―アルバムをつくるのは、お子さんが何歳になるまでですか?
1つ2つ…9つと、「『つ』が付く年齢までは、子どもには手をかけて大事に育ててあげなさい」と祖母から言われていたので、区切りよく10歳まではがんばろうと思っています。中学生くらいになれば、自分でアルバムをつくったりもするでしょうし。あまり何十冊にもなるとリビングに置いておけないというのもあります。『Year Photo Album』は厚さ2.5センチで、10冊揃えても手のひらとちょっとぐらいのスペースで収まるので、リビングに置いて日常的に見返すことができるサイズだと思います。
―これからアルバムをつくられる方に、アドバイスをお願いします。
写真を撮ってパソコンの中にデータを入れたまま見返さないなら、ファインダー越しじゃなくて自分の目でちゃんと見ておいてあげた方がいいと思うんです。セミナーでも、ちゃんとプリントしてアルバムにまとめてこそ、写真を撮った意味があるというふうにお伝えしています。ただ、「やるならちゃんとやろう」と張り切ると、ダイエットと同じでなかなか続かないと思うので、ゆっくりゆっくり細く長く愛情深く続けてもらえたらと考えています。
―Emiさんにとってのアルバムを、ひとことで言うと?
ありきたりですけど、「宝物」以外にないですね。バラバラだった写真をつなげることで、子どもたち自身が見返しやすくなりますし、成長のストーリーも感じられるものになるんだと思います。育児日記カードも付いてますし、本当にうちだけの絵本といった感じですね。
双子を育てるワーキングマザーとしての「時短収納」「子どもの写真整理」を綴ったブログ『OURHOME』を運営。現在は、整理収納アドバイザーとして、シンプルで簡単に続けられる「子ども写真整理収納術」セミナーを開催。2013年『OURHOME~子どもと一緒にすっきり暮らす~』をワニブックスより出版。
『OURHOME~子どもと一緒にすっきり暮らす~』
(ワニブックス)