―はじめにカモさんのお仕事についてお聞かせください。

幼い頃から絵を描くことが大好きで今の仕事を始めました。 きっかけは小学校の国語の授業だと思います。物語のワンシーンをイメージして絵を描くという課題で、私の絵を先生や友達がすごく褒めてくれて。 それがすごく嬉しくて、「イラストレーターになりたい！」「イラストで人を喜ばせたい！」と思うようになりました。 高校卒業後はデザインの知識を学ぶために専門学校へ入学。 卒業後はデザイナーとして働いていたのですが、やっぱりイラストを描きたいという気持ちを抑え切れず、フリーのイラストレーターになる道を選びました。

―イラストを描く際の基本を教えてください。

どんなイラストを描くにせよ、まずは直線と丸をきちんと描けるようになることが上達への近道です。 ポイントは、ペン先ではなく、少し先を見ながら描く様にを意識することです。 車の運転と似ていますが、少し先を見ることで、まっすぐな線が引けるようになります。 私の経験上、失敗を恐れて慎重になり過ぎてしまうと、かえって線が歪んでしまいます。 迷いを捨てて思い切りよく描いてみてください。 結果的に少し線が歪んでしまっても、手書きならではの味として楽しみましょう。 直線と丸が描けるようになれば、応用してお花や星、音符などが描けるようになるので、まずは、直線と丸をしっかり練習してみるのがおすすめです。 アルファベットなどの文字は、はっきりとわかりやすく描く様に心がけましょう。 全体の高さを揃えて、縦は垂直に、横は並行にするとバランスがまとまります。 うまく描けるようになれば、縦のラインだけ太くしたり、先端に丸のあしらいをつけるなどアレンジを加えても可愛いですね。

白ペンの使い方をまとめた本を出されていますが、白ペンでの良さはなんでしょうか？

まず、色の濃い所に描けることですね。 写真やアルバム台紙など、元から色がついているものに描く時は、黒いペンだと元々の絵をつぶしてしまうんです。 イラスト自体を目立たせたい時は良いのですが、飾りとして書き込む時には白ペンがとても役立ちます。 「白ペンは黒の用紙にしか使えないのでは？」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はいろんな色にあわせて使えるんです。 うっすらと白いイラストが浮き上がって、とても上品な印象にに仕上がりますよ。

実際に描く時のポイントを教えてください。

分かりました！ まずはイラストを描く写真選びが重要です。 アルバムの主役はもちろん写真。 イラストを描き加えることで、写真そのもののクオリティが落ちてしまうようであれば、描かないほうがいいでしょう。 イラストを描き込める写真の見極め方は、以下の2点です。 ①人物の側に適度なスペースがあること ②そのスペースの色が白でないこと また、人物の表情は写真のまま生かしたいので、顔にはイラストを描かないようにするのがいいと思います。 では、実際にイラストを描き込んでいきましょう。 まずは写真やアルバムを俯瞰で見つつ、描きたいイラストの大きさや配置をイメージしましょう。 描きながらこまめに俯瞰して確認することで、全体的にバランスよくイラストを描くことができます。 また、星やハートなど、直線と丸の応用で描けるイラストは、 失敗してしまった場合も塗り潰してバランスを微調整することができるので、安心して思い切り描いてみてください。

アルバムにイラストを添えることの良さはどんな所にあると思いますか？

写真をアルバムに綴じるだけでも、十分に思い出は残せると思います。 しかし、その時々のエピソードや気持ちをイラストで補うことで、写真には写っていない部分の思い出を残すことが出来ると思います。 それに、幼いお子さんの写真にパパママがイラストを添えてあげれば、 大きくなったお子さんがアルバムを見ただけで当時の様子とご両親の愛情が同時に伝わるのではないでしょうか。

―カモさんにとって「アルバム」をひと言で表すと？

思い出を彩るもの、ですね。 私自身、最近はなかなか写真をプリントしてアルバムに残す作業ができていませんが、 大切なイベントの時や友人にプレゼントする時には今でもアルバムに残しています。 記憶だけで曖昧にしたくない大切な思い出はきちんとアルバムに残さないとなと感じています。 その中でイラストが思い出を鮮やかに残すお手伝いが出来れば、イラストレーターとしては最高です。